平成21年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問19
【問題19】
ディスクアレイの構成方式の一つであるRAIDに関する記述のうち、適切なものはどれか。
RAID1、RAID2、RAID3は非冗長構成であり、RAID4、RAID5は冗長構成である。
RAID1は、ディスクアレイのうちの数台を更新ログの格納に用いる。
RAID4は、ミラーディスクを使用した構成方式である。
RAID5は、パリティブロックをディスクアレイ内に分散させる方式である。
【解説】
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)は、複数のディスクを組み合わせることによって信頼性や性能を向上させる技術です。RAIDには、次のような6つのレベルがあります。
- RAID0(ストライピング): 複数のディスクにデータを分散して書き込むことで、アクセス性能を向上させます。冗長性はありません。
- RAID1(ミラーリング): 同じデータを2台のディスクに書き込むことで、信頼性を向上させます。実質的な記憶容量は50%となるので、記憶効率は悪いです。
- RAID2: データにエラー訂正用のハミング符号を付加したものをストライピングで書き込みます。非常に高い信頼性が求められる場合に使用されます。
- RAID3: ビット/バイト単位でストライピングを行い、データのエラー訂正用にパリティビットを使用します。一つのディスクをエラー訂正符号の書き込み専用とする方式です。
- RAID4: RAID3とほぼ同じで、RAID3でビット/バイト単位だったストライピングをブロック単位で行います。
- RAID5: 情報データとともにパリティビットも各ディスクに分散して書き込む方式です。信頼性、アクセス性能が共に高まります。
ア: RAID1、RAID2、RAID3は非冗長構成であり、RAID4、RAID5は冗長構成である。
誤り。RAID1、RAID2、RAID3も冗長構成であり、RAID4、RAID5も冗長構成です。RAID0のみ非冗長構成です。
イ: RAID1は、ディスクアレイのうちの数台を更新ログの格納に用いる。
誤り。RAID1はデータのミラーリングを行い、更新ログの格納には使われません。
ウ: RAID4は、ミラーディスクを使用した構成方式である。
誤り。RAID4はパリティディスクを使用し、ストライピングを行います。ミラーリングを使用するのはRAID1です。
エ: RAID5は、パリティブロックをディスクアレイ内に分散させる方式である。
正しい。RAID5では、パリティ情報を各ディスクに分散させて格納することで、冗長性と高い読み書き速度を実現しています。
【答え】
エ: RAID5は、パリティブロックをディスクアレイ内に分散させる方式である。
出典:平成21年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問19