平成22年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問16
【問題16】
システム障害発生時には,データベースの整合性を保ち,かつ,最新のデータベース状態に復旧する必要がある。このため,DBMS がトランザクションのコミット処理とし,適切なタイミングとして,どれか。
【解説】
ア: すべての更新データの実更新完了時点
誤り。更新データがデータベースに実際に書き込まれることとトランザクションのコミットとは異なります。システム障害時に更新が完了していないデータがあった場合、復旧が困難になります。
イ: チェックポイント処理完了時点
誤り。チェックポイントはデータベースが安定した状態であることを示すマイルストーンですが、トランザクションのコミットタイミングとは一致しません。トランザクションの整合性を保証するためには、ログに書き込まれた情報が基準となります。
ウ: ログバックファイルへの書き込み完了時点
誤り。ログバックファイルへの書き込み完了時点は、トランザクションの結果がデータベースに適用される準備が整ったことを意味しますが、実際のコミットはまだ完了していません。バックアップや復旧のためには、さらに詳細な情報が必要です。
エ: ログファイルへの書き出し完了時点
正しい。トランザクションのコミットは、ログファイルに書き出されてから完了とみなされます。これにより、システム障害が発生した際に、ログを基にデータベースが整合性を保ちながら復旧できます。
出典:平成22年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問16