平成24年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問8
【問題8】
第2正規形であるが第3正規形でない表はどれか。ここで、講義名に対して担当教員は一意に決まり、所属コードに対して勤務地は一意に決まるものとする。また、{ }は繰り返し項目を表し、実線の下線は主キーを示す。
【解説】
#### 第1正規形 (1NF)
第1正規形では、リレーショナルデータベースの各フィールドに対して、原子性が必要です。つまり、繰り返し項目や集合値を持たないようにします。例えば、趣味などのリストが複数の値を持っていると、第1正規形を満たしていないことになります。
#### 第2正規形 (2NF)
第2正規形は、第1正規形を満たしたうえで、主キーに対して部分関数従属がないようにします。部分関数従属とは、主キーの一部に依存している属性がある場合です。これを解消するためには、依存する属性を別のテーブルに分ける必要があります。
#### 第3正規形 (3NF)
第3正規形では、第2正規形を満たしたうえで、非キー属性が他の非キー属性に依存していないことが求められます。非キー属性が他の非キー属性によって一意に決まると、これをトランジティブ依存と呼び、これを解消するために、非キー属性を別のテーブルに分けます。
ア: 学生番号に対して講義名、講義名に対して担当教員が一意に決まるため、第2正規形が適用されておらず第1正規形となります。
誤り。学生番号に対して講義名、講義名に対して担当教員が一意に決まるという記述は第2正規形に違反しません。
イ: 社員番号に対して個別のデータが一意に決まり、データの整合性が保たれており、第3正規形に準拠しています。
誤り。この場合は、第3正規形に適合しているため誤りです。
ウ: 社員番号に対して、所属コードが一意に決まりますが、勤務先情報が部分関数従属しており、これにより第2正規形が満たされますが、関数従属関係に依存が残るため第3正規形に進むことができません。
正しい。ここでは、第2正規形は満たされますが、非キー属性が他の非キー属性に依存しており、第3正規形に適合していません。
エ: 趣味が複数選択可能で、趣味の情報が繰り返し項目として含まれており、第3正規形では処理できない構造です。
誤り。この場合、リスト項目が繰り返しの値を持ち、非正規形を示すことになりますが、第3正規形に適合することはありません。
出典:平成24年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問8