平成27年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問1
2025年6月30日
【問題1】
データベースの3層スキーマアーキテクチャに関する記述として,適切なものはどれか。
概念スキーマは,内部スキーマと外部スキーマの間に位置し,エンティティやデータ項目相互の関係に関する情報をもつ。
外部スキーマは,概念スキーマをコンピュータ上に具体的に実現させるための記述であり,データベースに対して,ただ一つ存在する。
サブスキーマは,複数のデータベースを結合した内部スキーマの一部を表す。
内部スキーマは,個々のプログラム又はユーザの立場から見たデータベースの記述である。
【解説】
データベースの3層スキーマアーキテクチャは以下の3つの層から構成されます:
- 外部スキーマ (External Schema)
個々のユーザやプログラムの立場から見たデータベースの部分的な記述を表します。複数存在することが可能です。
- 概念スキーマ (Conceptual Schema)
データベース全体の論理的な構造を記述します。内部スキーマと外部スキーマの間に位置し、データの論理的な構造やエンティティ同士の関係を記述します。データベースに対して1つ存在します。
- 内部スキーマ (Internal Schema)
データベースの物理的な記述を表します。ストレージ構造やデータの格納方法など、コンピュータ上での実装を記述します。
選択肢の検証
ア: 概念スキーマは,内部スキーマと外部スキーマの間に位置し,エンティティやデータ項目相互の関係に関する情報をもつ。
正しい。概念スキーマの定義に合致しています。
イ: 外部スキーマは,概念スキーマをコンピュータ上に具体的に実現させるための記述であり,データベースに対して,ただ一つ存在する。
誤り。外部スキーマはユーザごとに異なる記述であり、複数存在することが可能です。
ウ: サブスキーマは,複数のデータベースを結合した内部スキーマの一部を表す。
誤り。サブスキーマは外部スキーマの一部を指すことがありますが、この記述は不正確です。
エ: 内部スキーマは,個々のプログラム又はユーザの立場から見たデータベースの記述である。
誤り。内部スキーマは物理的なデータベース構造を記述するものであり、プログラムやユーザの立場ではありません。
【答え】
ア: 概念スキーマは,内部スキーマと外部スキーマの間に位置し,エンティティやデータ項目相互の関係に関する情報をもつ。
出典:平成27年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問1