平成27年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問3
2025年6月30日
【問題3】
関係 R は属性 {A, B, C, D, E} から成り、関数従属 A → {B, C},{C, D} → E が成立する。これらの関数従属から決定できる R の候補キーはどれか。
【解説】
1. 関数従属の分解
A → {B, C} は分解律により以下の2つに分けられます:
– A → B
– A → C
また、{C, D} → E の関係は、A と D が決まれば {C, D} が確定するため、{C, D} → E は A, D → E と置き換えることが可能です。
2. 属性の決定
候補キーとは、すべての属性 {A, B, C, D, E} を一意に決定できる最小の属性の組み合わせです。以下の依存関係を確認します:
– A → B, C
– A, D → E
したがって、A と D を含めることで、R の全属性を決定することが可能です。
3. 選択肢の検討
ア: {A, C}
誤り。A から B と C を決定できますが、E を決定するためには D が必要なため、候補キーにはなりません。
イ: {A, C, D}
誤り。全ての属性を一意に決定できますが、A と D だけで十分なため、この組み合わせは冗長です。
ウ: {A, D}
正しい。A から B と C を決定でき、A, D から E を決定できるため、すべての属性を一意に決定可能です。最小の候補キーです。
エ: {C, D}
誤り。C と D から E を決定できますが、A を含まないため、B と C を決定できません。
出典:平成27年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問3