平成27年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問5
2025年6月30日
【問題5】
DBMS が取得するログに関する記述として、適切なものはどれか。
トランザクションの取消しに備えて、データベースの更新されたページに対する更新後情報を取得する。
媒体障害からの復旧に備えて、データベースの更新されたページに対する更新前情報を取得する。
ロールバック後のトランザクション再実行に備えて、データベースの更新されたページに対する更新後情報を取得する。
ロールフォワードに備えて、データベースの更新されたページに対する更新後情報を取得する。
【解説】
DBMS(データベース管理システム)は、障害発生時のデータベース復旧のために、トランザクションの更新前情報(Before Image)と更新後情報(After Image)をログとして取得します。これらのログ情報は、以下のように活用されます。
- トランザクションの取消し(ロールバック)
使用するログ情報: 更新前情報(Before Image)
目的: トランザクション中に行われた変更を取り消し、データベースをトランザクション開始前の状態に戻す。
- システム障害からの復旧(ロールフォワード)
使用するログ情報: 更新後情報(After Image)
目的: 障害発生前にコミットされたトランザクションの変更を再適用し、データベースを最新の状態に復旧する。
- 媒体障害からの復旧
使用するログ情報: 更新後情報(After Image)
目的: バックアップからデータベースをリストアした後、更新後情報を適用してデータベースを最新の状態に復旧する。
- ロールバック後のトランザクション再実行
使用するログ情報: 通常、ログ情報は使用しない。
目的: ロールバック後にトランザクションを再実行する場合、アプリケーションロジックに従って再度トランザクションを開始する。
選択肢の検討
ア: トランザクションの取消しには更新前情報を使用するため、誤り。
イ: 媒体障害からの復旧には更新後情報を使用するため、誤り。
ウ: ロールバック後のトランザクション再実行に特定のログ情報は使用しないため、誤り。
エ: ロールフォワードには更新後情報を使用するため、正しい。
【答え】
エ: ロールフォワードに備えて、データベースの更新されたページに対する更新後情報を取得する。
出典:平成27年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問5