平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問7
2025年6月30日
【問題7】
第2正規形であるが第3正規形でない表はどれか。ここで、講義名に対して担当教員は一意に決まり、所属コードに対して勤務地は一意に決まるものとする。また、{ }は繰返し項目を表し、実線の下線は主キーを表す。
【解説】
正規化の観点
- 第1正規形 (1NF)
繰り返し項目や集合値を排除し,すべての属性を単一値にする。
- 第2正規形 (2NF)
複合主キーをもつ場合に,主キーの一部にだけ依存する “部分関数従属” を排除する。
(主キーが単一属性であれば,自動的に第2正規形を満たす。)
- 第3正規形 (3NF)
非キー属性が,他の非キー属性に依存する “推移的関数従属” を排除する。
(主キー → 非キー → 別の非キー,という従属があると第3正規形ではない。)
第2正規形(2NF)までは満たしているが第3正規形(3NF)を満たしていない表は、一般に「主キーでない属性が他の主キーでない属性を決定する」すなわち推移的従属(トランザクティブ・ディペンデンシー)を含む表です。
各表を確認すると、
ウの表に次の関係がみられます:
- キー属性:社員番号
- 非キー属性:氏名、所属コード、勤務地
- 条件:所属コード → 勤務地(所属コードが決まれば勤務地も一意に定まる)
このとき、社員番号 → 所属コード → 勤務地 という推移的従属が発生しています。
主キー(社員番号)を介して決まる所属コードから、更に勤務地が決まるので、勤務地は主キー以外の属性(所属コード)に依存している。
一方、主キーは単一属性のため部分関数従属(部分依存)は存在しない(これが第2正規形の要件を満たしている理由)ものの、推移的従属によって第3正規形を満たしません。
出典:平成29年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問7