平成30年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問11
【問題11】
トランザクションの直列化可能性(serializability)の説明はどれか。
2相コミットが可能であり,複数のトランザクションを同時実行できる。
隔離性水準が低い状態であり,トランザクション間の干渉が起こり得る。
複数のトランザクションが,一つずつ順にスケジュールされて実行される。
複数のトランザクションが同時実行された結果と,逐次実行された結果とが同じになる。
【解説】
直列化可能性(serializability) とは、データベースのトランザクションスケジューリングにおいて、複数のトランザクションが同時実行されても、その結果がトランザクションを直列に実行した場合と同じ結果になることを意味します。
ア: 2相コミットが可能であり,複数のトランザクションを同時実行できる。
誤り。2相コミットは分散トランザクションにおける整合性維持の手法であり、直列化可能性とは直接関係がありません。
イ: 隔離性水準が低い状態であり,トランザクション間の干渉が起こり得る。
誤り。直列化可能性は最高レベルの隔離性(アイソレーション)を保証するため、干渉は起こりません。
ウ: 複数のトランザクションが,一つずつ順にスケジュールされて実行される。
誤り。直列化可能性では必ずしも順次実行されるわけではなく、同時実行される場合でも直列実行と同じ結果が保証されます。
エ: 複数のトランザクションが同時実行された結果と,逐次実行された結果とが同じになる。
正しい。これは直列化可能性の正確な説明です。
【答え】
エ: 複数のトランザクションが同時実行された結果と,逐次実行された結果とが同じになる。
出典:平成30年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問11