令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問4
2025年6月30日
【問題4】
B⁺木インデックスが定義されている候補キーを利用して,1件のデータを検索するとき,データ総件数Xに対するB⁺木インデックスを格納するノードへのアクセス回数のオーダーはどれか。
【解説】
B⁺木(Bプラス木)は,データを効率的に格納・検索するために使用されるデータ構造であり,高さが均一に保たれるよう設計されています。検索に必要なアクセス回数のオーダーは,次の通りです。
1. B⁺木の高さは,データ総件数Xに対しておおよそ log X のオーダーとなります(実際にはlogの底はノードの分岐数ですが,オーダーとしてはlog Xで表現されます)。
2. 各ノードに格納されるデータは部分的に順序付けされており,必要なデータに辿り着くために,根から葉までの経路をたどります。
3. そのため,データ検索時のノードアクセス回数も log X に比例します。
各選択肢の評価
- ア: √X
誤り。データ件数の平方根は,B⁺木の検索性能とは関係がありません。
- イ: log X
正しい。B⁺木インデックスの検索性能は,データ総件数に対して対数的なオーダーとなります。
- ウ: X
誤り。これは全件検索(線形検索)のオーダーであり,B⁺木を利用する場合の効率とは大きく異なります。
- エ: X!
誤り。階乗は検索アルゴリズムの効率としては適用されません。
出典:令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問4