平成22年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問18
【問題18】
DBMS のトランザクション管理に関する記述のうち,適切なものはどれか。
2相ロック方式は,分散型データベースのための制御方式であり,集中型データベースでは使用されない。
資源をロックする時間の長さのことをロックの粒度と言い、この粒度が細かいほど,トランザクションのスループットは向上する。
ダーティリードを許すなど,隔離性水準を下げると,トランザクションのスループットは低下する。
同時実行制御の目的は,データベースの一貫性を保ちながら,複数のトランザクションを並行に処理することである。
【解説】
ア: 2相ロック方式は,分散型データベースのための制御方式であり,集中型データベースでは使用されない。
誤り。2相ロック方式は集中型データベースでも広く使用される制御方式であり、分散型データベース専用ではありません。
イ: 資源をロックする時間の長さのことをロックの粒度と言い、この粒度が細かいほど,トランザクションのスループットは向上する。
誤り。ロックの粒度が細かいほど,ロックを頻繁に取得・解放することになり、オーバーヘッドが増加してスループットは逆に低下することが多いです。
ウ: ダーティリードを許すなど,隔離性水準を下げると,トランザクションのスループットは低下する。
誤り。隔離性水準を下げると、トランザクションのスループットは向上する場合がありますが、データの一貫性が低下するため、慎重に選択する必要があります。
エ: 同時実行制御の目的は,データベースの一貫性を保ちながら,複数のトランザクションを並行に処理することである。
正しい。同時実行制御の目的は、データベースの一貫性を保ちながら、複数のトランザクションを効率的に並行処理することです。これにより、システムの性能と一貫性のバランスを保ちます。
【答え】
エ: 同時実行制御の目的は,データベースの一貫性を保ちながら,複数のトランザクションを並行に処理することである。
出典:平成22年度 春期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問18