令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問6
2025年6月30日
【問題6】
関係モデルにおいて,情報無損失分解ができ,かつ,関数従属性保存が成り立つ変換が必ず存在するものはどれか。ここで,情報無損失分解とは自然結合によって元の関係が復元できる分解をいう。
【解説】
関係モデルでは、正規化による分解を行う際に「情報無損失分解」と「関数従属性の保存」という2つの要件が重要です。
- 情報無損失分解: 分解後の関係を自然結合して元の関係を復元できること。
- 関数従属性の保存: 元の関係に含まれる関数従属性が分解後の関係に正しく保持されていること。
各選択肢の評価
- ア: 第2正規形から第3正規形への変換
正しい。第2正規形から第3正規形への変換では、すべての部分関数従属性を除去します。この際、情報無損失分解が可能であり、関数従属性も保存されます。
- イ: 第3正規形からボイス・コッド正規形への変換
誤り。ボイス・コッド正規形(BCNF)は第3正規形よりも厳格であり、この変換では必ずしも関数従属性が保存されるとは限りません。
- ウ: 非正規形から第1正規形への変換
誤り。この変換では情報無損失分解が可能ですが、関数従属性の保存は正規化のプロセスによって異なります。
- エ: ボイス・コッド正規形から第4正規形への変換
誤り。第4正規形では多値従属性を除去しますが、この変換で関数従属性が保存される保証はありません。
出典:令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問6