令和4年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問2
2025年6月30日
【問題2】
社員と年との対応関係をUMLのクラス図で記述する。二つのクラス間の関連が次の条件を満たす場合、a, b に入れる多重度の適切な組合せはどれか。ここで、“年”クラスのインスタンスは毎年存在する。
〔条件〕
(1) 全ての社員は入社年を特定できる。
(2) 年によっては社員が入社しないこともある。
【解説】
UMLのクラス図における多重度
UMLのクラス図における多重度は、クラス間の関連性を示し、特定のクラスのインスタンスが他のクラスのインスタンスとどの程度関連付けられるかを表します。
aの多重度(年から見た社員の数):
– 条件2より、ある年に社員が入社しない場合、その年に対応する社員の数は0人となります。
– 一方、社員が入社する年もあるため、その年に対応する社員の数は1人以上となります。
– したがって、年から見た社員の多重度は「0..*」が適切です。
bの多重度(社員から見た年の数):
– 条件1より、全ての社員は入社年を特定できるため、各社員は必ず1つの年に対応します。
– したがって、社員から見た年の多重度は「1」が適切です。
選択肢の評価:
ア: aが「0..*」、bが「0..1」
誤り。bの多重度が「0..1」では、社員が入社年を特定できない場合があるため、不適切です。
イ: aが「0..*」、bが「1」
正しい。aとbの多重度が条件を満たしており、適切です。
ウ: aが「1..*」、bが「0..1」
誤り。aの多重度が「1..*」では、社員が入社しない年を表現できないため、不適切です。
エ: aが「1..*」、bが「1」
誤り。aの多重度が「1..*」では、社員が入社しない年を表現できないため、不適切です。
出典:令和4年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前II 問2